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発砲の組員 道内で覚せい剤取引か 長野の女性に200万円送付
【函館】函館市内で十一日未明、長野県佐久市中込、指定暴力団住吉会系組員、職業不詳高成仁(こうせいじん)容疑者(52)が警察官に発砲、応射され死亡した事件で、高容疑者が事件前の九日に千歳市内からタクシーで函館に移動していたとみられることが十一日、関係者の話で分かった。高容疑者の遺体から覚せい剤反応が出ていることや、渡島管内七飯町内のホテルから長野県内の女性に小包で現金二百万円を送付していることなどから、函館中央署はこの金が、覚せい剤など何らかの取引の対価だった可能性があるとの見方を強めている。

 JR北海道函館支社によると、高容疑者は十日午前八時二十分すぎ、JR函館駅のホームで男性客に拳銃のようなものを突きつけ、「列車に乗れ」と脅し、目撃した乗客らが停車中の特急の車掌に連絡した。車掌は同支社を通じ道警函館方面本部鉄道警察隊に連絡。同支社の社員らが捜したが、高容疑者は見つからなかった。

 同じころ、同駅構内で高容疑者に威嚇された乗客はほかにもおり、一部の乗客が函館駅前交番に通報、函館西署員が捜したが既に立ち去っていた。駅員は高容疑者が午前八時二十五分ごろ改札を抜け外へ出る姿を目撃。函館市内のタクシー会社乗務員によると、同時刻ごろ同僚の乗務員が函館駅前で高容疑者とみられる男を乗せ、同管内七飯町に向かったという。

 一方、千歳市内のタクシー会社の乗務員によると、九日午後六時前、JR南千歳駅(千歳市平和)から高容疑者とみられる男がタクシーに乗車。「函館方面へ」と指示し、道央道を経由し国道5号を南下した。男は冗舌で、「佐久まで行ってくれ」「自分は韓国籍だ」などと話しかけてきた。刑務所での経験を語り「シャブ(覚せい剤)をやっている」「刑務所に入りたくないから警察に捕まったら銃撃戦だ」などと話したという。

 午後八時前、JR八雲駅(同管内八雲町)付近で燃料が足りなくなったが、補給所が既に閉店していたため、男は同駅前で、八雲町内のタクシー会社の乗務員の車に乗り換え、午後九時ごろJR函館駅前に到着、下車したという。

 函館中央署などは十一日午後、函館市昭和町の発砲現場で四十人体制で現場検証を実施。捜査車両などを使って銃撃戦の状況を再現し、発射された銃弾を捜したが見つからなかった。同署の調べで、高容疑者の拳銃は中国製のトカレフとみられることが判明。高容疑者が七飯町で女性(39)から奪った乗用車からは女性の現金約十万円が手つかずの状態で見つかった。

(北海道新聞 引用)
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