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<9>家庭料理の店 (2006年10月6日)
おふくろの味 人気今も

客のニーズを何とかつかもうと、様々な業態が浮かんでは消えるススキノ。そんな中、灯をともし続けるのが「おふくろの味」だ。

 わずか7坪(23平方メートル)。カウンターに7人、テーブルに4人が座れば満員になる。「たけ華」(中央区南5西2)は、のれんをくぐれば、目の前にママの顔がある。カウンターの上に並ぶ煮しめや煮びたしなどは、どこの家庭の食卓でもみられる料理だ。

 ママの武田三枝子さん(61)は普通の主婦だった。それがススキノに針路を切ったのは、ご主人が亡くなったのがきっかけ。「料理好きを生かしたい」と思って開店し、今年で15年。その手料理と気さくな人柄がサラリーマンの人気を呼び、いまではホテルで紹介された出張族も次々に顔を出す。「友達の勧めもあり、怖さも感じないまま始めました」と振り返る。

 「酒房ふく」(同区南5西5)。ママの和田富久子さん(77)は「自他ともに認める無愛想」と笑う。山登りが大好きで、札幌での公務員生活をやめ、1961年、大雪山が近い旭川で開業した。それから約10年後、今の場所に移り、様々な著名人も出入りする店になった。メニューは、昔も今も家庭の味。人気の鍋料理は、前日までに予約をもらい、客が来店する日に、リュックを背負って中央卸売市場へ仕込みに行く。「だって、その方が新鮮でしょう」

 上司への不満、妻と母親の角逐――愚痴や悩みを聞くうちに、常連客が増えていた。「いろいろな人と出会えたことが一番の財産」と2人とも口をそろえる。

 「主婦のままだったらこんな経験はできませんでした。ススキノが自分を育ててくれました」と武田さん。開店10周年は、なじみ客が盛大に祝ってくれた。

 和田さんの宝物は、常連客がくれた手紙や絵はがきをまとめた3冊の小冊子。67年、87年、2000年の発行だ。元気なうちに何とかもう1冊作りたいというのが、和田さんの願いだ。


(読売新聞引用)
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